lyrics

「窓」赤盤

カワイコ

セクシーと言うには無邪気すぎて つまさきの先にはお花畑
美しいと言うには柔らかすぎて 吸い込んでしまうスポンジみたい
気の向くまま 心ゆくまま
スレンダーと言うには小さすぎて コップのフチにもぶら下がれそう
グラマーと言うには純粋すぎて 真っ赤なリンゴをただ眺めてる
切りたての髪 ふわふわさせて
スカートの裾 ひらひらさせて
僕はただ 君のことを見ていたい その瞳が濁ってしまうまで
雲を割いて 光をまとい 降りて来た あれは女神様
いやいやいや うちのカワイコ
控えめと言うにはでしゃばりすぎて 飛び出してしまう鉄砲玉みたい
伏し目と言うにはまん丸すぎて 何を見てるか全然見当つかない
お気にのカバン ゆらゆらさせて
君のえくぼ にやにやさせて
できるなら 君のことを守りたい 狼が迎えに来るまで
磨かれぬダイヤのような 注がれぬグラスのような
何も隠さない川のような 春を待つ花のような
雲を割いて 光をまとい 降りて来た あれは女神様
いやいやいや うちのカワイコ

レモン

ずっと君を見てた 滑らかな白い肌
物欲しげな指が 細く伸びる
触れるのは危険だ 変わってしまうから
それはそれで構わないと言うのなら
レモン もっとそばにおいでよ いつもと違う君が見たい
レモン もう戻れないとしても 出会った時からわかってたはずさ
そっと左に置いて 飾りにしておくのは
少しばかりもったいないと 吐くため息
耳元でささやいて 知りたかった言葉
君は意外と甘酸っぱいものが好き
僕たちに明日はない あるのは今この時だけ
冷めてしまえば楽しめない 君の気が済むまで 絞り出しておくれ
レモン もっとそばにおいでよ いつもと違う君が見たい
レモン もう戻れないとしても 出会った時からわかってたはず
わかってたはずさ

絵描きの夢

君をひとつにくくって 好きな色を作って
キャンバスに向かう あの子を見ている
夢中で描いて しばらくやめて
遠くから眺めている
あの子が描いてるものは 虹色のフクロウか ばらまいた夢のようだ
なんにせよ僕には知り得ない わけのわからない絵を描いてる
なにもないのに 荒野でひとり
花を咲かそうと してるみたいだよ
なにもそんなに しなくてもいいのに
また色を重ねてゆく
あの子が描いてるものは 虹色のフクロウか ばらまいた夢のようだ
なんにせよ僕には知り得ない わけのわからない絵を描いてる 

夏が終わる

長く続かない通り雨 波ももう引き潮で
砂浜に立ってた君を 君をどこに連れて行ったっけ?
だいたいのことをうやむやにしたまま
僕の気持ちなど知らずに 風が吹いて夏が終わる
君と見た夢の続きは もう見れない
小さな車は真夜中を 君を乗せて走っていた
世界で一番きれいな 景色を二人見ていた
日曜が終わると月曜に追われてしまうよ
朝日が昇り来る頃 ユリは嘆く 夏が終わる
今はまだわかっちゃいない これが思い出になることを
君と見た夢の続きは もう見れない

環状線

人混みなんか大嫌いと君が言うから 奇をてらい
環状線を外回り 何もないとは言わせない
晴れの日を待ちわびる わびさびを無視するさびたビル
を抜ければきらめく川 マジックアワー 魅惑のシャワー
喜びも悲しみも ふたりではんぶんこ
ほころびができても 君が直してくれる
胸の奥の奥刻む君のリズム 心まで踊らされていたい
ひとり占めしてほしい君のほしいまま この腕にしがみついていて 離さないで
やたらギラギラした 胡散臭いネオンサイン
不機嫌な君の好きな匂いが呼んでる 寄ってらっしゃい
幸せとは小さな 当たり前の積み重ね
似た者同士でしょう ムキになって 気が済むまで
間違いも正しさも まるごと受け止めて
生きがいをくれないか たとえ嵐の中でも
胸の奥の奥刻む君のリズム 心まで踊らされていたい
ひとり占めしてほしい君のほしいまま この腕にしがみついていて 離さないで
気がつけば経つ月日を振り返れば 君がいる いろんな顔をして
上がり下がりする その頬を見ていたい 守りたい
下手な歌だけれど つまり君のため

いつもの匂いとカーテンのしわが 乾いた心を潤してくれる
テレビの音はまるでファンファーレ この夜を明るく彩ってくれる
どんなにダメであっても 「おかえり」と言っておくれ
いつまでも いつまでも
大したことじゃないのに見栄を張り ホラを吹く 高らかに
こんな僕をわかってくれるかい それを君は許してくれるかい
どんなにダメであっても 「おかえり」と言っておくれ
いつまでも いつまでも
帰る場所はここしかない 君だけは愛していておくれ
なにもかも なにもかも
いつまでも いつまでも

「窓」黄盤

セキレイ

足音が行き交ってる 単純で同じリズム
近づいてはまた去ってく 太陽のすみっこに住む
名前も知らない花 見つけられてよかったな
セキレイのひとり言を聞いている
こんにちは 本日は いい日だ
秋の風に吹かれて なびく君の長い髪
優しい気持に抱かれて 眠りについた深い闇
幸せになりたいなら 正直者になればいい
見えるものはあざやか すばらしい
こんにちは 本日は いい日だ
心はいつもくもり空 帰り道も覚えちゃいない
そこにともるイエローがほら ぼくを導いてくれるみたい
言うまでもないけれど 笑っていられたらいい
日々はくだらなくてかがやかしい
こんにちは 本日は いい日だ

コンクリの水ソウ

雨の東京 公共の傘をさして歩く 軽く心もおどる
雨の東京 浮き世の波に乗りな 彼の愛車シューシューと音を立てる
雨の東京 時折見る その表情は誘惑してるかのよう
雨の東京 もう今日は昨日 置いてけぼりの希望 明日はどこに行こう
溢れ返る水の中で愛すべきものはいくつある
気取ってすましてるような顔 コンクリの水ソウの中を
流行りにまかせて泳ぐのかい
雨の東京 想像通りの出来合いの会話に沸いた また笑った
雨の東京 流暢な言葉としぐさ 語り草を探してるのさ
雨の東京 信号は赤から青にかわる いつでも時代はまわる
雨の東京 宗教にも似た銀色の華は綺麗だ また憧れた
溢れ返る水の中で愛すべきものはいくつある
気取ってすましてるような顔 コンクリの水ソウの中を
流行りにまかせて泳ぐのかい

板きれ

そのアルミニウムの板きれは 君のツバでどろどろさ
それでもまだその小さな すり傷が気になるかい?
君の腕は超一流 また叩き出すハイスコア
そんな調子で人生も 上手くいけばいいよな
だれかが呼んでいる 震えてる
だれかが呼んでいる 音がする
そのプラスチックの板きれと 二年も暮らしてぼろぼろさ
どこにいるか何をしてるか 他人のことが気になるかい
友達も言っていた 今ウワサのオススメの
ひととおり眺めたら ただ一言 いいね、と
だれかが呼んでいる 震えてる
だれかが呼んでいる 音がする

明日

誰も聞こえぬ静けさを合図に 今この時と 夜が列をなす
寝転んでいるいつもの商大筋 雨の匂いと さまよう光を溶かす
カバンには仕返しの言葉と コンビニ弁当とタバコと缶ビール
いつになれば報われるんだろう 安っぽい毎日だけどここにいる
明日はどこだい
夕暮れがこの街を包む みんな見てるさ みんな待ってるのさ
夕暮れが両手を広げて 僕を呼んでいる また明日と言っている
走り回る子供らの背中に 風を知らぬ銀色の翼が見える
僕にもかつてそれがあったな 追いかければ逃げてしまう思い出
明日はまだかい
夕暮れがこの街を包む みんな見てるさ みんな待ってるのさ
夕暮れが両手を広げて 僕を呼んでいる また明日と言っている
また明日と言っている

越えてゆけ

こんな時が いつの日か 来るとわかってたんだ
昨日までが 連れてきた 真空パックのまんま
視界は良好 宇宙みたい 今僕は星になって
闇が嫌う 色を塗りたい 反射してなお美しく
誰の声も聞こえない あれもこれも意味がない
淀んでしまった白い海を越えてゆけ
震える足を抑えて スピードに身を任せて
忘れたはずのあの山を越えてゆけ
邪念を捨て しぼり出す空想 有象無象は消去
突き放す手 ただ一人で滑走 颯爽と風を切ってゆく
羽を持たぬ天使たちが笑う
落ちてくる空を突き抜けてゆく鳥を追って
誰の声も聞こえない あれもこれも意味がない
淀んでしまった白い海を越えてゆけ
震える足を抑えて スピードに身を任せて
忘れたはずのあの山を越えてゆけ

シュール

結局何ひとつ変わりゃしない ヒーローはいまだに活動休止
他人のことなんか考えちゃいけない まずは我が身を守れって言うし
面倒臭い話をぼーっと聞いて レジスターは本日も過不足なく
真夜中の空をふと仰いで見ればほら 青い鳥が飛んでゆく
愚痴でも吐かないとやってられない こんな世の中だから
聞かせておくれよ 現実ははるかかなた
シュールな日々を過ごそう
行ってきますおはようお疲れさまただいま 同じ言葉を繰り返し
日に日に小さく折りたたんできたものを今 少しだけ開いてみる
夢なんて見なくたってどうってことないよ 毎日は夢みたいなものなのさ
冷たい風に負けちゃいけないよ 太陽はいつでもそこで待ってるのさ
アルコールでごまかしてなんとかやってる そんな奴もいたっけ
忘れちゃいけないよ 全ては上手くいくって すべてはうまくいくって
シュールな日々を過ごそう

「窓」青盤

ひとつの愛

何も知らないことを今日知った
尋ねられる人もいなかった
酩酊しながら夢にくちづけ
宝物は砂場に埋めて おあずけ
雨に打たれ 泣いたのは誰
さがし物はただひとつ ひとつの愛
虚ろな目で遠くを眺め
濁流を渡る人々の流れ
ずっと前から足元は見えず
雑音に呑まれ言葉もなくした いつもイエス
震える声 明日はどこへ
戻れないのなら 忘れてしまいたい
雨に打たれ 泣いたのは誰
さがし物はただひとつ ひとつの愛

それでも列車はゆく

はぐれた鳥の黒い影が ひこうき雲の線を目指す
行き先もわからず休むところもない
埃っぽい西の風が はよ行かんかと僕を急かす
迷うくらいなら立ち止まっていたい
それでも列車はゆく
腰をかけて外を眺め 軽い荷物は膝に置いて
愛しい人が住む町はもう見えない
日が暮れそうさ 明日は雨 また一人 一人降りて
遠ざかる姿にさよならも言えない
それでも列車はゆく
思い出す 暇もなく 過ぎてゆく時間に何の意味がある
こんなくだらないゲーム やり直したいよ全部
それでも列車はゆく

悪者

いつからか狂い始めた 音も立てないで
僕たちの健気な真面目さは 愛しさをすり減らすだけ
憧れていた幸せな昨日 もつれた糸は絡まって
わからずやはお互い様だろう
冷めてしまったホットケーキの 甘い香りが漂って
悲しい 悪者はいつも僕の方
みじめな気持ちは丸めたけど 捨てずにとってある
四つ角をいくつ渡っても 帰れない 君はもういない
雲は流れ流れるにつれて 形を変えてゆくのだろう
僕はもう少しここにいたいのに
錆びた蛇口を閉め忘れて 溢れた思い出は今も
きれい 追い回される四六時中

タクシー

はっとして飛び降りて 振り返れば赤い信号が灯って
これ以上どこにも連れて行っちゃくれない つれないな
線路はただ鈍く光ってる
さんざん気を使って 疲れて帰りの電車に乗って
気がつけば 西明石に立ってるおっさん お疲れさん
あなたは誰かの太陽になる
タクシー 僕のうちまでおねがい
みんなが待っているから
タクシー 僕のうちまでおねがい
話したいことがたくさんあるから
ビュンビュン流れてゆく 景色は僕の時間を巻き戻すよ
余計なことを言った つまらんことをやった
あれでよかったのか 間違いはなかったか
よぎる苦みを噛みしめる
タクシー 僕のうちまでおねがい
みんなが待っているから
タクシー 僕のうちまでおねがい
話したいことがたくさんあるから
タクシー 僕のうちまでおねがい

明日がこの街すべて 飲み込もうと企んでる
黒い影は檻を出て 時とともに膨らんでゆく
二十数年生きてきて 問われるのは出来不出来ね
だいたいのことに飽きてきて なのに持ち物は捨てきれぬ
一人でいられることが 強さだと信じてた
そして失った言葉 覚えた順番に消えた
誰も愛さない代わりに 誰からも愛されなくていいって
背を向けるのももう終わり 321今飛び出す時
窓を開けて 吸い込んだ空気 浮かぶ月
手を伸ばせば 届くような 届かないような
連れていって 海の向こう 遠くへ行こう
青い風が 吹いているよ 歌ってるよう

悪魔と友達になろう

いつだってうわの空 君の話も聞いちゃいない
気の抜けたぬるいソーダ 飲み干したならやっちゃいな
もうだめだ 悪魔と友達になろう
名案だ 悪魔と友達になろう
おもちゃ箱をぶちまけて 散らかしたまま出て行こう
夢の花火を打ち上げて 消えちまうまで眺めてよう
なせばなるさというけれど 気が乗らないからしょうがない
いついかなるところでも 真面目でいるなんてとんでもない
もうだめだ 悪魔と友達になろう
名案だ 悪魔と友達になろう